映画「なまどぅさらばんじ。今が青春」

映画「なまどぅさらばんじ。今が青春」

「カマドおばぁ」こと福嶺初江さんは、沖縄市コザでローカルラジオ局のパーソナリティとして活躍しています。まちの人気者の彼女は2018年に「シージャダンスプロジェクト」というダンス創作プロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、戦争体験を持つシージャ(先輩)たちの経験を元にしたダンスが創作されました。

福嶺さんの創作したダンスは、福嶺さんが農作業中に遭遇した米軍による機銃掃射を受けた記憶をダンスとして表現。当時、彼女が耳の聞こえない母に危険を伝えようとした記憶が込められています。

映画のタイトルである「なまどぅさらばんじ。今が青春」は、カマドおばぁが取材中何度も口にしてきた言葉で多良間口で「生きている今が最も輝かしい」という意味を持ちます。カマドおばぁがこの言葉を繰り返し口にすることは、彼女が戦争や戦後の苦難を経験し、それでも今を大切に生き抜こうとする姿勢を表現しているのかもしれません。現在のカマドおばぁの様々な活動は個人的な一つの小さな記憶を届けるという形で、沖縄の歴史を象徴的に伝えています。そのような表現を通じて、カマドおばぁはコザで尊敬され、愛される存在となっているのでしょう。彼女の活動が、多くの人々に沖縄の文化と沖縄に置かれている状況を知り、理解し、尊重する一つのきっかけとなれば嬉しいです。

映画公式サイトはこちら