灯をともす、町のかたち
東日本大震災の年から継続して関わってきた、対話工房のプロジェクト「Camp Onagawa」。本映像は、2012年8月13日に女川町で開催された「迎え火」プロジェクトの記録である。
自宅の跡がまだ判別できるうちにと、町の人々がかつての暮らしの場所に火を灯し、集った夜。あかりを囲むことで生まれた時間や、そこで交わされた声を静かに記録している。
女川観光協会会長は、
「人間にとって大切な『火』を燃やし、元気で良かったね、体大丈夫?と久々に話ができた。若い子からお年寄りまでが一緒にいる。これがほんとの町だと、あの夜思いました」
と語る。
また、主催の海子揮一・小山田徹は「火があってそれを囲むことで、たとえ会話がなくても場と時間を共有できる」と話す。その言葉通り、この夜の「迎え火」は、喪失のあとに生まれた小さな集まりでありながら、町の記憶とつながりを確かに灯す出来事となった。
本映像は東日本大震災を忘れない目的として設立されたプロジェクト「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を通じ「せんだいメディアテーク」に収蔵されている。